「んじゃ俺ら今から形だけ付き合うということで。
あ…まさかとは思うが俺の事好きじゃねぇよな?
ちなみに俺の事好きになった時点で契約は解除だから。」
「っ…好きじゃないですよ。
そもそもこうして話すこと自体初めてじゃないですか。」
「俺の事は好きになんなよ。
そういうのうぜぇから。
ちなみに俺のことは名前で呼べ。
そういやクラスは?」
「1組です。」
「俺は2組だ。
見かけたら声はかけろよ。
あと敬語いらねぇ。」
「もちろんで…だよ。
仮にも付き合ってるんだから当たり前。」
「じゃぁな。」
彼…遊佐は教室から出て行った。
しばらくその場から動けなかった。
現実か夢かわからなくなってきたが、胸の痛みを感じて現実だと理解した。
「あーぁ…実らないとはわかってたけど、これは予想外だったな……。」
好きなのに好きと言えない。
好きな人には道具扱いをされる。
この現実は自分で受け入れたにしても胸が痛む…。
でも接点が出来ただけよかったのかもしれない。
…今日から私は自分に嘘をつきます。