なぜそんなことを聞かれてるのか…。
接点も何もなかったのにどうしてかな…と沈黙の間ごちゃごちゃと考えていた。

すると思いもよらない言葉が聞こえてきた。




「俺と付き合わね?」





一瞬何のことを言われているのか理解できなかったが、再度脳内でリピートしてわかった。

私は今好きな人に告白されている。
頭の中で浮かれていると、彼の口から残酷な言葉が出てきた。




「勘違いすんなよ?
俺はお前なんか知らねぇ。
興味ねぇし知りたいとも思わねぇ。」



「え……?」



「女がきゃーきゃー煩くてよ、どうにかしてぇんだ。
んでこの前、たまたまお前の噂を耳にしたんだ。
″誰にもなびかない完璧な女″として有名なお前のな。」



話についていけず、聞くしか出来ない状態の私。
っていうか噂…?なにそれ。
私そんなの聞いたことない…。



「お前もいちいち告白に対して返事するのなんて面倒だろ?
俺とお前が付き合ったとしても文句なんて誰も言わねぇだろ。

お前にとってもマイナスなことはない。
むしろプラスだ。
まぁ多少は付き合ってる雰囲気出すのに時間使うからそこは制限されるけどな。」




…要するに彼は私を好きではなく、利用したいということ?
周りの女の子達を静かにさせるための道具にしたいってこと?

でも…接点も何もなかった彼との距離が近くなるのは目に見えてわかる。
彼に気持ちはない。
だけど一緒にいてもっと彼のことを知りたいと思ってしまう。



「…よろしくお願いします。」



いつの間にか自然と言葉が出た。