8月4日


晴れ








─某アパートにて─








『いやー、やっと夏休みですね』


『そーですね。って、何撮ってんの?』


『んー?今から昼飯作ろうとしてるちーちゃん撮ってんの』


『辞めてよ、恥ずかしいから』


『恥ずかしがってるちーちゃんも可愛いから大丈夫大丈夫』


『何が大丈夫なのよ。話の受け答えになってないから』


『あれ?そう?』


『うん。そう』


『まあ、別に良いじゃん。ほら。同棲しだして漸く落ち着いてきて、やっとちーちゃんの初手料理が食べられる訳だし』


『其れとこれに何の関係があるのさ』


『記念にビデオに収めないと、って思って』


『私の手料理なんて今まで散々食べてきたでしょ』


『料理してるところを見るのは初めてだもん』


『はぁ…』


『あ、今呆れたでしょ?めんどくせって思ったっしょ?』


『思ってないよ。全然思ってない』


『うっそだー』


『嘘じゃないよ。ただ、何かちょっと可愛いなあって思っただけ』


『……』


『あれ?』


『……』


『おーい。大丈夫?』


『……ちーちゃん』


『ん?』


『可愛いー!あーもー、何でそんなに可愛いのー!』


『え、ちょっ。うわっ!』


『可愛い可愛い!』


『ばっ、馬鹿!抱きつかないでよ!オムライス作れないじゃん』


『んふふー』