その上で、態度を一向に変える気配はない。
「これで、此方の話は終わりだ。本題に入ろうか。国王。」
「その前にお前の不遜な態度を改めよ。」
「これでも敬っている。」
“何か問題でも?”という顔だ。
秀尚はげんなりとしている。
その仕草が一正とそっくりなので、リアンは声を殺して笑った。
利光はあらぬ方向を見ているが、恐らく彼も笑っているのだろう。
「……まぁよい。仮にも父上の兄だからな。大目に見てやる。」
秀尚は呆れ顔をする。
「此処に来た理由を包み隠さず言うと、八倉家の襲撃について父上が関係していると思ったからだ。」
(何を“包み隠さず”、や。よう言うわ。)
一正が心の中で悪態を吐く。
最初から責任を押し付けるつもりだった。
そう、知る。
口角を釣り上げ、嘲笑してやろうか。
“あんたらの策謀なんやろう?”と糾弾してやろうか。
秀尚の隣を見る。
利光……“国王の左腕”と呼ばれている男。
彼さえ、この首謀者というのか。
今まで信頼していた。
この瞬間まで、秀尚が継がなければ彼に託しても良いとさえ思えるくらいに。
気が滅入りそうになりながら、一正は咳をする。
「八倉家、か。わしはその件に関与しとらん。戸尾黨和の独断やと見とるが。」
嘘だ。
嘘には嘘を、というように上辺だけの笑みを浮かべる。
雅之さえその嘘が見抜けないだろうくらいに完璧な笑顔。
狸と評される所以の演技。
決して、表に出さない疑問。
そして確信。
「これで、此方の話は終わりだ。本題に入ろうか。国王。」
「その前にお前の不遜な態度を改めよ。」
「これでも敬っている。」
“何か問題でも?”という顔だ。
秀尚はげんなりとしている。
その仕草が一正とそっくりなので、リアンは声を殺して笑った。
利光はあらぬ方向を見ているが、恐らく彼も笑っているのだろう。
「……まぁよい。仮にも父上の兄だからな。大目に見てやる。」
秀尚は呆れ顔をする。
「此処に来た理由を包み隠さず言うと、八倉家の襲撃について父上が関係していると思ったからだ。」
(何を“包み隠さず”、や。よう言うわ。)
一正が心の中で悪態を吐く。
最初から責任を押し付けるつもりだった。
そう、知る。
口角を釣り上げ、嘲笑してやろうか。
“あんたらの策謀なんやろう?”と糾弾してやろうか。
秀尚の隣を見る。
利光……“国王の左腕”と呼ばれている男。
彼さえ、この首謀者というのか。
今まで信頼していた。
この瞬間まで、秀尚が継がなければ彼に託しても良いとさえ思えるくらいに。
気が滅入りそうになりながら、一正は咳をする。
「八倉家、か。わしはその件に関与しとらん。戸尾黨和の独断やと見とるが。」
嘘だ。
嘘には嘘を、というように上辺だけの笑みを浮かべる。
雅之さえその嘘が見抜けないだろうくらいに完璧な笑顔。
狸と評される所以の演技。
決して、表に出さない疑問。
そして確信。