ちょっとやそっとでは彼を手懐けられない。
「国王、敢えて問おう。貴方は何を目指している?」
雅之は問う。
その目は真っ直ぐ射抜くように秀尚を見る。
「そんなの決まっている。国の繁栄だ。」
秀尚は答えた。
「富国強兵。国を豊かにし、兵を強固にする。そして、全てを我が国の手中へおさめる。」
その言葉に清零国王の言葉が過る。
『我は天下を取ることが第一ではない。力を知らしめることこそ我が目的!』
言葉は違えど、内容は同じだろう。
予想はしていた。
そう答えるだろうと思っていた。
だからこそ、正さねばならない。
民が苦しむ世の中にしてはいけない。
一正はそう思って反論しようとしたが、声にならない。
息苦しさが先を阻む。
それを見て、雅之が話さなくてもいいという仕草をした後に、秀尚の方を見た。
「やはり、稚拙。」
雅之は冷静に言う。
「富国強兵という考えは認めよう。そういうやり方も貴方らしい。」
“だが、”と鋭い目つきで話す。
「民は奴隷ではない。貴方の所有物ではない。それを忘れるな。」
静かに窘める。
「忠告しておく。」
秀尚に何も言わせない威圧感で言う。
「今でこそ、細川国の所属だが、俺は自分の目的の為ならば容易く掌をかえす。……貴方がこの国を皆が笑える国に導かないと言うならば、いつでも反逆者になる。民にも兵にも豊かな暮らしを与えられない無能な国王に仕える気はない。」
はっきり言い切る雅之に秀尚だけでなく、リアンと利光も驚いているようだ。
「例え、このひ弱な馬鹿隠居がそう望まなくとも、な。」
「ひ弱な馬鹿、は余計や。」
「この状態で頑丈な知将には到底見えまい。」
「……そない言われるとぐうの音もでぇへんやんけ。」
一正はげんなりしている。
「そういうわけだ。」
雅之は勝手に話をまとめる。
「国王、敢えて問おう。貴方は何を目指している?」
雅之は問う。
その目は真っ直ぐ射抜くように秀尚を見る。
「そんなの決まっている。国の繁栄だ。」
秀尚は答えた。
「富国強兵。国を豊かにし、兵を強固にする。そして、全てを我が国の手中へおさめる。」
その言葉に清零国王の言葉が過る。
『我は天下を取ることが第一ではない。力を知らしめることこそ我が目的!』
言葉は違えど、内容は同じだろう。
予想はしていた。
そう答えるだろうと思っていた。
だからこそ、正さねばならない。
民が苦しむ世の中にしてはいけない。
一正はそう思って反論しようとしたが、声にならない。
息苦しさが先を阻む。
それを見て、雅之が話さなくてもいいという仕草をした後に、秀尚の方を見た。
「やはり、稚拙。」
雅之は冷静に言う。
「富国強兵という考えは認めよう。そういうやり方も貴方らしい。」
“だが、”と鋭い目つきで話す。
「民は奴隷ではない。貴方の所有物ではない。それを忘れるな。」
静かに窘める。
「忠告しておく。」
秀尚に何も言わせない威圧感で言う。
「今でこそ、細川国の所属だが、俺は自分の目的の為ならば容易く掌をかえす。……貴方がこの国を皆が笑える国に導かないと言うならば、いつでも反逆者になる。民にも兵にも豊かな暮らしを与えられない無能な国王に仕える気はない。」
はっきり言い切る雅之に秀尚だけでなく、リアンと利光も驚いているようだ。
「例え、このひ弱な馬鹿隠居がそう望まなくとも、な。」
「ひ弱な馬鹿、は余計や。」
「この状態で頑丈な知将には到底見えまい。」
「……そない言われるとぐうの音もでぇへんやんけ。」
一正はげんなりしている。
「そういうわけだ。」
雅之は勝手に話をまとめる。