その態度を見据える。
「軍師殿が言うように、俺は細川一正の影武者だ。」
包み隠さず言ったことに一正はぎょっとした顔で雅之を見る。
「畝」
「今更、隠すこともない。」
一正の言葉を遮る。
「それと、何度言っても解らぬようだが」
雅之は一正を睨む。
「俺はもう畝ではない。幼名で呼ぶな。八千代。」
態と一正の幼名を出す。
「悪かったって。」
一正は“堪忍な”と眉を顰める。
「父上の御病気が悪化したとき、代わりを務める為の影武者……では何故、態々王位を継がせたのか訊きたい。影武者が居るのなら、国王を変える必要がないのでは?」
秀尚は一正を見る。
利光も同じことを考えていたらしく、同様に一正を見た。
「雅之に影武者をしてもらうんは、後継を決めるまでの間の話や。」
一正は言う。
「正直、あんたに継がせる気はなかった。」
そう言うと秀尚は怒りを表情に出す。
しかし、リアンと利光が牽制した。
「あんたは兵のことや貴族……あるいはわしらのような恵まれたもの。自分の周りしか見ておらん。せやから、後継ぎは別の者に任せる気でいた。」
「お言葉ながら父上」
「まぁ、聞きや。」
一正は静かに遮る。
「だが、気付いた。わしこそ、自分の周りしか見ておりゃせんと。」
そう言って咳き込む。
雅之がぶっきらぼうに一正の背中をさする。
「軍師殿が言うように、俺は細川一正の影武者だ。」
包み隠さず言ったことに一正はぎょっとした顔で雅之を見る。
「畝」
「今更、隠すこともない。」
一正の言葉を遮る。
「それと、何度言っても解らぬようだが」
雅之は一正を睨む。
「俺はもう畝ではない。幼名で呼ぶな。八千代。」
態と一正の幼名を出す。
「悪かったって。」
一正は“堪忍な”と眉を顰める。
「父上の御病気が悪化したとき、代わりを務める為の影武者……では何故、態々王位を継がせたのか訊きたい。影武者が居るのなら、国王を変える必要がないのでは?」
秀尚は一正を見る。
利光も同じことを考えていたらしく、同様に一正を見た。
「雅之に影武者をしてもらうんは、後継を決めるまでの間の話や。」
一正は言う。
「正直、あんたに継がせる気はなかった。」
そう言うと秀尚は怒りを表情に出す。
しかし、リアンと利光が牽制した。
「あんたは兵のことや貴族……あるいはわしらのような恵まれたもの。自分の周りしか見ておらん。せやから、後継ぎは別の者に任せる気でいた。」
「お言葉ながら父上」
「まぁ、聞きや。」
一正は静かに遮る。
「だが、気付いた。わしこそ、自分の周りしか見ておりゃせんと。」
そう言って咳き込む。
雅之がぶっきらぼうに一正の背中をさする。