景之はそれを見送ると良寧を見た。
「俺が一人で行っても構わぬ。貴様の好きにしろ。」
そう言って足を進めたが、良寧が肩を掴む。
いや、その前に足を止めた。
「……いや。」
少し思案するように空を見た。
「今から出立してももう時期暮れだ。明日の朝にしよう。」
そう言い残して一階の奥にある部屋へ姿を消した。
辻丸はその後を追おうとした。
「辻丸殿。」
良寧に呼び止められて振り向く。
「わたくしは……負傷者の救護に加勢しますね。」
(わたくしでは、あのひとの心に寄り添えない。)
悲しげに言う。
仕方ないと苦笑した。
辻丸は景之を追った。
「俺が一人で行っても構わぬ。貴様の好きにしろ。」
そう言って足を進めたが、良寧が肩を掴む。
いや、その前に足を止めた。
「……いや。」
少し思案するように空を見た。
「今から出立してももう時期暮れだ。明日の朝にしよう。」
そう言い残して一階の奥にある部屋へ姿を消した。
辻丸はその後を追おうとした。
「辻丸殿。」
良寧に呼び止められて振り向く。
「わたくしは……負傷者の救護に加勢しますね。」
(わたくしでは、あのひとの心に寄り添えない。)
悲しげに言う。
仕方ないと苦笑した。
辻丸は景之を追った。