結局、義明は死を選んだ。
『これが……貴様ら人間のやり方か!!細川ァ!!!』
景之は一正に激昂する。
『雪。』
それを義明は制止した。
死装束で笑む。
『儂は……あんたに全てを託す。』
そう言うと笑ったままで言う。
『良き人生じゃった!!』
そう言い切ると、命を絶たれた。

妻だけでなく、父さえも奪われた。
彼はその激高を最後に二度と情を見せなくなった。
深く黒い目は感情を灯さない。
全ての光が奪われたかのように。