こちらの劣勢は目に見えている。
だが、勝ち目がゼロとは思えなかった。
「与吉郎を呼べ。」
風麗に命じ、与吉郎を傍に呼んだ。

「……清零国はこれ以上の援軍は寄越さないようやな。」
「はい。某も催促はしましたが、のらりくらりとかわされました。」
「リアンはどこや?」
「最前線にいます。」
一正はその答えに“そうか”と答えると、戦場を睨んだ。