一正は声も発てずに唯、自分に付いた千代の血を見る。
「これが、戦ゆうもんや。」
「……そうですか。」
そう言って風麗は一正を見た。
「では、命令を。」
「あんたはまだ」
「戦というものは、傭兵の活躍の場でもあります。」
言葉を遮られて一正は困る。
「……」
そして、戦場を見た。