すると、小さな足音が聞こえた。
“タッタッタッタッ”
銀髪は手早く刃をしまい、布と仮面を被った。
「陛下!!」
風麗が勢い良く襖を開けた。
「何や?」
一正は何食わぬ顔をしている。
「曲者ですか!?」
「わしの昔馴染みや。」
「ならば、何故お怪我を?」
「セクハラしたら殺されかけたんや。」
「は!?」
(コイツは馬鹿か!?)
笑っている一正に風麗は唖然としている。
「いやぁ、美人さんやしな♪な!」
「“な!”と言われましても……」
人影は呆れる。
「鼻の下を伸ばさないで下さい。だらしない。」
(その笑顔が余計に心配になる。)
風麗は複雑そうな表情をしながらも同じように呆れている。
「まぁまぁ。風麗は風呂にでも入ってなって!わしは汚い奴と一緒に居りたくないぞ。」
「汚い……!?」
(失礼な!!私はあんたの身を案じて……)
風麗は怒りを覚えたが、無駄だと悟り、怒りを飲み込んだ。
「それとも、わしと入るか?」
「お断りします!!」
一正に怒った風麗は乱暴に襖を閉めた。

(……その笑顔が余計に心配になる。)
風麗は複雑そうな表情をした。