やがて、男性と父親だけが残った。

父親は多くの兵士と戦って、瀕死だった。

最期の力を振り絞って、男性を倒そうとしたが、出来なかった。

『あなた!!』
『お父様!!』
母親と銀髪が父親に駆け寄る。
その後に弥々も来た。
『……許さない。』
凛だけは、父親に駆け寄らずに男性を見据えた。
『恨むなら、この戦の元凶を恨むことですね。貴方達を殺すのは実に容易い。』
男性はそう言いながら、凛を見た。
『1つ交渉しますか?』
『何?』
凛は男性を怪訝そうに見る。
“ガシッ”
『きゃっ!?』
男性は間合いを一気に詰めて凛を捕まえた。
『貴方が奴隷になるというなら、彼女達には今は手出ししません。』
『捕まえておいて何よ!!選択肢ないじゃない。』
『えぇ。』
凛に男性は愉快そうに笑った。

そして、凛を連れ去った。

凛は奴隷として扱き使われて死んだと後から聞いた。