「大切な家族を……全てを貴方は奪った。」
「お気の毒やったな。父さん以外は。」
「なんですって?」
銀髪は目尻を吊り上げた。
「あんたの父親は愚かな化け狐だった」
“ガッ!!”
無表情で言う一正を銀髪は壁に叩きつけた。
「訂正しなさい!!」
銀髪は一正を睨む。
その表情は憎しみそのものだった。
「父様が愚かな化け狐ですって!?貴方に何がわかるのです?父様は大切な家族を」
「守って死んだ。」
怒鳴る銀髪の言葉を一正は遮った。
「どうせ、自分が善人だということに重点を置いてるような馬鹿だ。残された奴等のことなんて考えてない。」
「知ったような口をきくな!!父様は化け狐ではない。」
銀髪は力強く叫んだ。