だから、夜中、こっそりと2人で抜け出した。
『いいか。貴様は今すぐ逃げろ。』
『何言ってるの!そんなこと』
『俺がなんとかする。だから、行け。俺は貴様を殺したくはない。』
そう言って、戻った。

『夜中に何処へ行っていた?』
王が問う。
『ただの見張りです。』
そう答えた。
『……女がひとり。逃げたようだが。』
“お前がやったのだろう?”と問いかけていた。