月雲は顔を上げて、じっと見た。
『なくなるのは、こわい……』
泣きながら言った。
『だって、だって……こんなんでも、大事なんだ。』
感情が、大事?
不可解な発言だ。
『私は、目的がある。……それは、“死ぬこと”。』
ぽつり、と言った。
『でも、ちがうって、思った。だって、いくらだってできるはずだったのだもの。』
そう言って、泣きじゃくった。