DEAR:徹へ
徹へ。
きっとこれを徹が見てるってことは、私
はこの世に居ないんだね。
徹、ごめんね。
本当は、もう自分の命が長くないことな
んて、ずっと前からわかっていたのに、
徹に言ってなくて、……言えなくて、ご
めんなさい。
最初に貧血で倒れて、栄養失調症だって
診断された日があるよね。
あの三日後には、もうこうなることはわ
かっていたんだ。検査入院した時にね、
発覚したからね。
私は素直じゃないから。
せめてこの手紙の中では、本当に本当の
事を書くよ。
私は、脳腫瘍を患っていました。
それもすごく取りにくい位置にあって、
手術するのはあまりにリスクが多すぎて
、ほとんど不可能だと言われた。