同じ部活の後輩が、体育館の鉄製のドア
の所から、俺を呼んだ。
「呼び出しですよ~」
呼び出し……?
誰なんだろう、と思いながら首を傾げて
いると、ふと視界に映った、磯部の顔。
……恐ろしくニタニタしている。
峯本は峯本で、不機嫌そうに俺を睨んで
いるし。しかも福田さんまでちょっとニ
ヤリとしている。
なんなんだ、と思いつつ、そんな彼らを
無視して体育館のドアの方へと赴く。
すれ違い様、後輩に「まじ羨ましいッス
」と言われたが、身に覚えがない。
……羨ましがられるような事なんて、し
てないけどな。
まあいいや、と思いながら通路に出れば
、そこに居たのは隣のクラスの女の子だ
った。
「あ……っ、岡田くん……!」
「……あ、俺のこと呼んだのって、」
「あ。わ、私……です」