無駄だと思うことはしない。生きていけ
ればそれでいい。
ただ、時の流れに任せて生きているよう
な毎日。
息を吸って、吐き出して。
寝て、起きる。
そんな単純作業を繰り返す、ツマラナイ
人間。───それが、俺だった。
それでいいと思ってた。──いや、それ
が良かった。一番、楽だった。
誰も──そう、自分でさえも。傷つかな
いで暮らしていく、最良の方法だと、思
ったから。
だけど。
「……変えられたんだ」
栄生君に。美海に。───皆に。
皆と出会ってから、人生を楽しむ、とい
う選択肢を見つけてしまった。
仲間の居心地の良さを見つけてしまった
。