「……それに、徹くんだけじゃないし」
「……え?」
きょとんとしながら栄生君を見ると、栄
生君はニコニコ笑っていた。
俺だけじゃない……ってどういう意味だ
?
意味がよくわからない俺を、いたずらっ
子みたいに笑う栄生君が、手招きする。
それに着いていくと、隣のクラスまで連
れてこられた。
「こっちだよ。静かにね」
人差し指を唇の前に当てながら、そう言
う栄生君の上から、そっと教室を覗けば
……。
「くっそぉ!わっかんねー!!」
と頭をガシガシとかきむしり、悶えてい
る峯本と、
「だから、解の公式を使えって言ってる
だろー」
呆れがおの福田さんが居た。