お姉ちゃんがあたしを支えて、あたしたちもタクシーに乗り込んだ。
その間もあたしは泣き叫んでいた。
電話の向こうの怒鳴り声は止む事が無くて…。
マサヒロッ…マサヒロッ、
「どぉしてっ…」
「っ…」
お姉ちゃんは何も言わずあたしの肩を抱いてくれていた。
マサヒロがボロボロになっちゃうっ…
だって、だって。
お母さんたちは知ってる、マサヒロが保護観察の身である事を。
もし、抵抗して人なんか殴ってしまったら鑑別に入れられてしまう。
それを分かってて、みんなやってる。
もぅ、ダメかもしんない。
どうして?ねえ、どうしてなの?
あたし何かしたかな?お願いだからこれ以上、何も…何も、壊さないでよぉ…
全部、全部、全部…あたしが悪いのかなぁ?
マサヒロがただ好きなだけなのに…。
「あお、着い…あおッ!!」
飛び出した。
早く、早く…マサヒロに逢わなきゃ!!
お姉ちゃんも急いであたしの後を追ってくる。