-駿side-
俺に腕を掴まれた時から
あの時のような
猫かぶりな甘い声ではなく
少し低い、
と感じてしまう声で
話しかけてくる麗。
これが普段の、
本当の声なんだろう。
「ちょっと、痛いんだけど」
そう言われ、
確かに少し力を入れ過ぎたと
思ったものの
逃げられる訳にはいかないので
シカト。
すると
気づいていたのか、
「別に離しても、
どこにも行かないけど」
少しだけ驚き、
ゆっくり麗の方を向く。
俺の下っ端を見る目と同じ。
でも
なんとなく
こいつは逃げない、
と思い手を離した。
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