あれから、 急いで帰ったつもりだったが 家に着いたのは 11時過ぎだった。 ガチャ… ゆっくりと、 楓たちが起きないように 静かに扉を開ける。 「…こことも しばらくばいばいだな…」 そう呟いた瞬間、 「仕事、今度は長期なの?」 !? 「……楓…。 起きてたのか」 リビングには ソファで雑誌を開いている楓。 「当たり前じゃない。 翔司が帰ってきてないのに、 寝るわけないでしょ」 少しだけ頬をふくませて そう言う楓。