「………っ!」 か…なた…… どうして……来てくれたの? じわりと目に涙がたまってくると、 「お前…なにしてんだよ!!!」 怒りを露にした奏多が、 ガッと、大和を私の上から押し退けた。 「やっと来た、王子様」 「お前……穂香が好きなんじゃねーのかよ! なのに…穂香を泣かせてんじゃねーよ!!」 「それ、そっくりそのまま返していい?」 「……っ… ……穂香、行くぞ」 奏多は大和の言葉に一瞬悔しそうな顔をしてから、 私の手をグイッと引っ張って部屋を出ていった。