しかし、アイリスは逃げようともせず、むしろ城へ向かっていったのだ。
「駄目だ!アイリス!!アイリス!!」
ウィリアムは父に抱き抱えられながら強く叫んだ。
「父上、離して下さい!僕もアイリスの元へ行く!!」
「気持ちは分かるが、これ以上は危険だ」
「そんな…!アイリスを見過ごせというのですか!?」
「仕方がないことなんだ…ウィリアム、お前の命が私にとって一番大事なんだ。許してくれ…」
ウィリアムは兵士に連れ去られるアイリスをただ見ていることしか出来なかった。
そして名前を呼び続けた。
アイリスはウィリアムをずっと見つめながら兵士と城の中へと消えて行った…。
アイリスはローズによって殺されてしまったのだろうか…?
ウィリアムはずっと自分を責め続けた。
アイリスを見捨てた自分のせいで死んでしまったのではないかと…。
それから13年の時を経た。
アイリスとウィリアムは18歳になった…。