「今日は頑張ってね!」
「そーだよ!もう超頼りにしてるんだか
らぁ!」
ガッツポーズを作りながら意気込む女子
たちに、苦笑いを浮かべる。
そんな期待されてもなぁ……。なんて思
いつつ、こんな状況を作ってるのは自分
なので文句は言えない。
私、早坂美穂(はやさかみほ)。
青南(せいなん)高校に通う一年生。
そして……。
「あ、次、800メートルリレーじゃん
!美穂!一位だよ!美穂がいれば絶対一
位取れるから!」
「そうだよ美穂が居るんだもんね!」
───周りの皆曰く、"希望の星"。
女子も男子も関係なく、いつも私をそん
な風に呼ぶ。それこそ、小学生の時から
それは変わらない事実で。