side愛


「高瀬!!」


はぁ、はぁ、はぁ…


息を切らして広田が私を見下ろしている。



「ひ、広田!?」


涙で濡れた顔が恥ずかしくて、急いで顔を拭く。




「高瀬」



息を整えた広田がもう一度呼んだ。



「何?」





「俺…」




広田は険しい顔のまま動かない。




「何?どうしたの?」


好きな人を目の前にして私の心臓がうるさい。

どうして今まで普通に話せたんだろう。



「高瀬」



「うん?」


どうしてそんなに悲しそうな顔するの?
私も悲しくなるよ…


「俺、」





「俺は、高瀬が好きだ。」

「高瀬が転校してきた日から景色が変わった。それまでの白黒の生活に色が付いた。一目見た時から俺は高瀬の虜だった」

「パンケーキのこと話す時の幸せそうな顔とか、からかったときのいじけた顔とか、テニスしてる時の凜とした顔とか、全部好きだ。」

「高瀬が誰を好きになろうと、俺が好きなのは、高瀬だけだ。」