会場の近くの公園のベンチに座って、私は真理に心の中をぶちまけた。


「広田に思いを伝えたら、今までの関係が全部崩れるんじゃないかな…」


「授業中に落書きした紙渡したり、テレビのこととかどうでもいいようなこと喋ったり、購買に行ってどっちが焼きそばパン買えるか勝負したり、テスト前にノート見せ合ったり、そんな日々が全部無くなっちゃうんじゃないかな…」


「怖い…。好きっていうことが、広田を失ってしまいそうで」


「愛…」


震える私の背中を真理はずっとさすってくれていた。


「大丈夫だよ。愛が思いを伝えても、広田はいなくならないし、思い出もなくならない。」

「でも、突然好きだなんて、それにきっと広田は好きな人いるよ」

「うん。それはそうだね。」

「やっぱり、真理は知ってるんだ…。」

私の方が同じクラスでたくさん話してるつもりなのに、真理はどうして私の知らない広田を知っているの…?


「でも、それは本人に聞くのが一番いいんじゃない?」

「え?」


どういう意味?

顔を上げると、真理は悪戯っぽく笑って「じゃ、私はこれで」と軽く手を振って行ってしまった。


「どういうこと?」


突然一人にされて混乱する。


どういうこと?
本人に聞くのが一番いいんじゃない?
それができたら苦労しないよ…