「ねー颯斗もう髪染めんの?」
光貴君が桜田先輩のワックスで固まった黒髪をつんつん触りながら言う。

「触んな、染めねーよ推薦受けたいし」
「もう」ってことは、前は、

「…前染めてたんですか?」

桜田先輩が答えようとすると光貴君が面白そうに言った。
「真っ赤だったんだよこいつ!ヤンキーみたいに!」
「ヤンキー」を強調して言う光貴君。
「黙れ」