「…帰んの?」
ん?私?
突然背後から声がして振り向く。いや、振り向かなくたって声だけでも間違えるはずはない。

私の心は一瞬にして、幸せのピンク色に染まった。

「かっ、帰るよ!帰ろう帰ろう、ね、先輩」
「お、おぅ…」

黒いコートが似合ってる。後ろ姿を見てると抱きつきたくなる。出来ないけどね、付き合ってるわけじゃあるまいし。