「本当に付き合っていないの?」
「うん…」

実和子ちゃんがほっと息を吐き出した。
そのとき光貴君の言ってたことを不意に思い出した。
告白したんだよね…実和子ちゃん。

実和子ちゃんが顔を上げて控えめに言った。

「私ね…好きなんだ、颯斗先輩のこと」

…知ってる…。まだ好きだったんだ。
頭に血が上った。
私は言えなかった。