「風音ちゃん〜」
「実和子ちゃん、どうしたの?」
授業が終わった後、珍しく実和子ちゃんが私の所へやってきた。

私の前の席に座ると声を潜めてこんなことを言った。

「ねぇ…風音ちゃんって、颯斗先輩と付き合ってる…よね?」
「へ?」

先程愛梨に同じようなことを聞かれた時よりも10倍くらい驚いた。
そして「付き合ってる?」じゃなしに、「付き合ってるよね?」。