会場に着くと、桜田先輩がどこかにいるんじゃないかって思って全然落ち着かない。
いるわけないのに。
本番前の桜田先輩は、控え室にいるに決まってる。

プログラムに印刷された「桜田颯斗」の文字に触れてみた。
今から、先輩の姿を見ることが出来るんだ、先輩の演奏聴くことができるんだ。
胸が高鳴った。