「どうしたのよ、まったく」
愛梨は呆れてため息をつくと、私が存在を忘れかけていたさっきの紙切れを拾った。

「何これ?」
「あ…………忘れてた…」
愛梨からそれを受け取り、中を開く。

「1月24日、記念演奏会」。
えっ、……
チケット………………?
………誰に?私に?まさかね。
…わかんない。あの人がわかんない。私のこと怒ってるんじゃないの。
でもさっき、確かに私に……
だって何も言ってないじゃん。渡しといてとか…