「風音ちゃん、あのさ」
「あ、はいっ」
廊下を急いでいると、楽器を背負った光貴君に声を掛けられた。

「颯斗がね」
「え…」

「颯斗がね」。その一言で私の周囲の空気がピタッと止まった。
「なんですか…?」

「明日4時にS駅って言ってたよ?」
明日?4時?S駅?