私たちが他愛ない話をしていると、
「…ふざけてるか?」
どこからか荒々しい声が聞こえてきた。
取り乱しているまではいかないけど、決して落ち着いてはいない、低く怒りのこもった声。

「な、何?」
「さあ…」
私と愛梨は顔を見合わせる。
それは下駄箱から聞こえてきた。

「あ………」
愛梨が声を漏らす。
私も続いて覗く。