という訳で、これが私の「産後1ヶ月」の全てである。


いっぱいいっぱいだった新生児のお世話も、「まあ、こんなものか」と思えるようになり、いい意味で手を抜くことを覚え始めた。


そして出産から2ヶ月程過ぎてやっと、「母性」という感情が芽生えてきたのがわかった。


それはどこかのママタレントがブログだの何だのに書きそうな、「溢れんばかりの愛おしさ」だの「我が子を全力で守りたい」だのと言った「いかにも」な感情とは少し違い、物の見方全てにおいてが母親目線になってしまう、単純な私にふさわしい感情だ。


具体的に言うと、男の子を見ると途端にその子の母親の気持ちになってしまうのだ。


それが小さな子供ならまだしも、ナントカ事務所所属のデビュー予備軍の男の子達なんかを見ても、どうしても息子のような目で見てしまう。


時にはスポーツ選手やいい歳をした渋めの俳優にさえそんな感情を抱いてしまい、さすがにそれは女としてどうだろうと少し焦った。


慌てて好きだったアイドルのDVDを再生し、やっぱりカッコいいと胸がキュンキュンする自分にホッとしたものである。


こんなくだらない話はどうでもいいのだが、何を言いたいのかと言うとこんな私にも少しずつではあるが、母親として一歩前進したということだ。


会話の中で「10年後」というワードが出てくると、今までなら単純に「40歳か」と自分の年齢を思っていたのが、初めに「息子が10歳」と考えるようになり、テレビで育児関連の特集をやっていると自然に目がいくようになった。


もともと私の性格は、単純明快。


てんやわんやしていた産後1ヶ月も、今となっては笑える思い出となった。