「星が、たくさん、ほしい」
思わず、九木を無視して声の元へ走る。
何かに足を引っ掛け転ぶ。
地面に額をぶつける。
けれど、痛みも感じなかった。
顔を上げる。
眩い光。
ダンの口から、青白い光が漏れていた。
ほぅ、とその光景に見惚れた瞬間。
パチン、とダンの身体が弾けた。
一瞬で、灰になった。
バサバサと、灰は横たわった藍の身体に降り注ぐ。
「……何事だ、これは」
ひんやりとした九木の声。
だが、有明はもう恐怖は感じなかった。
これだ。
藍は、これを狙っていたんだ。
不確定な恐竜絶滅。
それを、彼女は。
『まぁ、あれだ、星を一つほしいと思わないか?って聞かれたらほしいって答えておけばいいんだろ』
星を、落とさせて。
恐竜を、絶滅させようとしたんだ。