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青みがかったぴくりとも動かない瞳を見つめる。
きっちり編まれた三つ編み。

相変わらず人形みたいな人だなぁ、と桜は思った。

ぼんやりと目の前の女性を見つめていた桜は数秒経ってようやく隣のピリピリした空気を感じ取った。


「どうして竹内天音さんがここにいるんですか。」


千秋が恐ろしいことに口火を切った。

周囲の人間は皆青ざめる。
変わらないのは千秋と竹内天音だけ。

桜たち四人が一番奥の部屋に入ったら、そこで待っていたのは理事長である千秋の父だけではなかった。
絶対零度表情で竹内天音が佇んでいたのだ。


「私の弟がいなくなったのです。」

「何それ。」


平坦な竹内天音の口調に馬鹿馬鹿しげに千秋は目を細める。


「九木に見つかる前に探し出したいのです。」

「あんたさ、鬼道学園のことは信用しないんじゃなかったの？」

「こら、千秋。」


火花を散らす二人の間に千秋の父が介入する。


「非常事態なんだ。人間同士でいがみ合ってる場合じゃないだろう。」


ハァ、と千秋の父がため息をつく。

桜にも彼が参っているのがよく分かった。
圧倒的な力の差。
しかも継承者を守ってくれるはずの竹内家もピンチのようだ。