「東北の妖怪は、後回し。」 千秋がピシャリと言う。 「弓月という天狗から、有田藍へ届けるよう頼まれた手紙も後回し。」 ガガッと頭上のスピーカーから電波が乱れたような音がする。 『すけの学年B班です。駅の東口に木の侵入が見られます。』 雑音と共にそのような放送が入る。 桜たちは早足で歩き出す。 「まずは九木をなんとかしないと。」 ペタペタと、四人が裸足で廊下を歩いてゆく。 四人とも歩いている間無言になっていた。