「いっそ最初から五人の班だったことにしようかな。」
伊勢千秋がボソリとそんな恐ろしいことを言ったとき。
突然。
歩いていてもハッキリ感じるくらい。
グラリと、地面が揺れた。
ガガガガガッと山の奥の方から何かが現れるかのような音。
バサバサと、木々の擦れる音。
「地震?」
「大きいな。」
揺れが数秒で収まった。
口々にそう言いあった次の瞬間。
千秋たちはそれが普通の地震ではないことに気付いた。
「ち、千秋さん、これって……」
少女は泣きそうな声を出す。
千秋は険しい顔で前を見つめたままだ。
彼らは鬼道学院の最上学年かみの生徒。
つまり皆一様に、ある程度の妖力は感じとれる。
今回の揺れの後に感じた妖力はある程度などというものではなかったが。