妖怪学の後は医学、算学、歴史学、書道と授業は続いた。

全てそれぞれの教室へ移動しなくてはいけないので休み時間は動きっぱなしで大変だった。

早足で歩く藍の後をついてくる有明もボヤく。


「一つの教室で全教科やれよ。」


藍もまさに同じことを思っていた。

けれどこれが鬼道学園のやり方なのだから仕方ない。
郷に入っては郷に従え、だ。

それにしても有明の言葉遣いは汚いな、と思う。


慌ただしくも動き回っているうちに一日の授業は終わった。
ようやく夕食の時間だ。


「藍ちゃん、ご飯食べにいこう。」



夕食も、またかみの学年かららしい。
佳那子に誘われ藍は朝と同じ第三広間へ向かう。

一度朝食を経験したからか、夕食はスムーズに席につけた。

月見うどんにたくあんにブリ大根。
夕食も美味しそうだ。

藍が箸を持ち食べようとした瞬間、隣にいた有明が急に話し出した。


「ずっと言おうと思ってたんだけどよ。」

「……なに?」

食べながら聞くか聞いてから食べるか無視するか一瞬悩んだが、結局藍は箸を置いた。