「そして、最も強い妖怪というのは諸説ありますが、西文家の記録では牛鬼、九木、八木を示すそうです。」
この三つの妖怪が三大妖怪です。
そう言いながら先生はそれらを黒板に書いてゆく。
牛鬼、九木、八木。
藍は教科書に書き写してからハッとした。
九木。
この妖怪は、弓月たちが言っていた妖怪ではないのか。
「牛の頭に蜘蛛の身体をもつ牛鬼。九尾の狐である九木。ぬらりひょんの八木。三大妖怪の中で一番強いのが牛鬼、続いて九木と言われています。」
牛の頭に蜘蛛の身体。
想像したらなんだか気持ち悪かった。
九尾の狐の方が強そうな感じだが、牛頭の蜘蛛の方が強いだなんて。
藍は唇に手を当てる。