「…へぇー悪魔にも恐怖はあるんだ!」


和希の言葉に、悪魔は泣きそうになってしまった。


「…こいつが、小僧が願いさえ言えば…」

「一番大切なものを奪われると知っていて願いを言うバカがいるか?」

和希の言葉に絶望的になり、その場にヘタリこんでしまう悪魔。

「…こ…これは…もう半分以上能力を奪われてしまったのか?」

「…ち…ちからがでない…」

逆に和希のほうは生命力に溢れ、体中からパワーがみなぎっている。

「…す、すげぇ!これが悪魔のパワーなのか」

体の奥から溢れてくるパワーに酔いしれている和希。

しかし、強烈な尿意は納まらない。

「…うぅぅぅぅー!」

激しい尿意の波に襲われ、それに耐える和希の表情を悪魔は見逃さなかった。

悪魔は最後の力を振り絞り呪文を唱えた。 



「我、汝の願いを聞き入れ望みかなえさせよう、我の全てをかけて!」



悪魔の、この呪文に和希は驚いた!


「…お前!その呪文は悪魔にとっては禁断の呪文だろが!」


悪魔は和希を見上げ、不適な微笑みを向けて言った。



「…我が身が滅びるよりは、千年の眠りの方がましだ!」



「…貴様の願いはかなえたぞ!二度と会うこともあるまいさらばだ!」



そう言い残すと、悪魔は和希の机の上から消え去った・・・