この時状況が何もわからなかった私わ、とりあえず病室から出て家族を探した。


「ま…な……つ。」
確かに聞こえた小さな男の人の声。私わその声のした方へ走って行った。502号室。私の隣の部屋だ。


そこにわ包帯巻きにされた私と同じ歳くらいの男の人が隣の部屋のベットに居た。手に小さな箱を持ったまま「愛してる」そう、かすれる声を出して息をひきとった。何だか私と目が合った気がしてドキッとした。すると隣に居た女の人がわぁーっと声を出して泣いていた。とりあえず自分の部屋に戻った。



私わ自分が何故病院に居るかもわからないのに他人の死を見て更に頭が痛くなりそうだった。だけど何故だか涙が勝手に溢れていた。