見上げたそこは、給水塔。
その天辺に太陽を背負った人影があった。
眩しさに手をかざし目を細めたけれど、逆光のせいで姿がよく見えない。

太陽を背負ったままの彼が、ふわりと浮き、飛んだ――――。

光を背負いこっちへと飛ぶ姿は、まるで鳥のようだった。
ふわりと、軽やかに舞い降りた姿に私は目を奪われる。

――――きれい……。

「自殺なんか、すんなよ」

私の目の前に降り立った彼は、私のおでこを人差し指でつーんと突くと口角を上げて笑う。
サラサラの髪の毛が、太陽の日を浴びてきれいなブロンドみたいに見えた。