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「空でも飛ぶ気?」

もう一歩踏み出すはずが、急に掛けられた声にタイミングを逃した。

私は、目を開け後ろを振り返る。
けれど、そこには誰もいない。

私は、また前を見る。
続く青空の先を見る。

両手を水平に――――……。

「だからー。空でも飛ぶつもりかっての」

呆れたような声がまた聞こえてきた。

私は、また後ろを振り返る。
やっぱり、そこには誰もいない。

「飛べるわけないじゃん」

もう一度聞こえた声に、首を少しだけ傾げた。

また聞こえた声は、空の方から。