*
「空でも飛ぶ気?」
もう一歩踏み出すはずが、急に掛けられた声にタイミングを逃した。
私は、目を開け後ろを振り返る。
けれど、そこには誰もいない。
私は、また前を見る。
続く青空の先を見る。
両手を水平に――――……。
「だからー。空でも飛ぶつもりかっての」
呆れたような声がまた聞こえてきた。
私は、また後ろを振り返る。
やっぱり、そこには誰もいない。
「飛べるわけないじゃん」
もう一度聞こえた声に、首を少しだけ傾げた。
また聞こえた声は、空の方から。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…