「てめぇは誰だって言ってんだよっっ!」

数で押し包めば、そして武器さえ持っていれば勝てると思ったのか。

若者達は、そこらに転がっていた鉄パイプ、持参したスタンガンなどを手に夏彦を囲む。

「……」

前髪の下の夏彦の視線が、鋭さを増す。

それに気付かない若者がスタンガンを夏彦目掛けて突き出し。

「!?」

ダッキング(上体を前に屈めるようにして相手のパンチを回避する戦法)で避けられた事に驚く。

「単身乗り込んできたんだ、腕に自信があって当然だと思わないか?」

隙だらけの若者の顎に、夏彦はアッパーカット!