その時、保健室のドアが
勢いよく開いたかと思うと



「新く~ん、どうしたの?
大丈夫?心配したんだよぉ」

「いきなり雪ちゃんが連れてっちゃうし
授業も2人でいないし」



腕組をして私を睨んでくるファン達。
仕方ないでしょ、頼まれたんだから

そんな視線のぶつかり合いの中に



「あーごめんね、大丈夫もう元気!」




ファン達に爽やかスマイルで答える
奥村新。
彼女達のご機嫌も直ったようで
私がいることを完全に忘れている



とにかく具合も良くなったし
一件落着ということで
教室に戻って翔平くんへの制裁を考えないと!
親友の彼氏でも容赦はしないぞ


翔平くん、君の人生は終わったよ!
桜に遺言を残すがいい!



教室に戻ろうと
奥村新達の横を通り過ぎようとした時



「放課後、駅前のCDショップで待ってる」



耳打ちされた。。


私に言った??


一瞬、足が止まったけれど、
聞き返せない。


一気に体中の血が逆流してる
顔が真っ赤になってるはず


なんだ、なんだ?
きっと今日の御礼かなんかでしょ
それしかないじゃん


奥村新と目が合ったときになる現象
胸がグゥーっとしてきた。
心臓のドクドクまで聞こえてくるよ。


今日は色々ありすぎで疲れたんだなぁ


教室まで、ぼけーっと歩いていたせいで
帰りのホームルームが始まっていた。