こうして梨里をおんぶして帰る道。


頼むから、学校のヤツ通らないでくれ、と念じながら。



梨里から香る、甘いにおい。
香水なんかじゃなくて、梨里そのものがこんなに甘いんだろう。

それだけでもクラクラするのに、柔らかい感触とか、首に回る白い腕とか、風がなびくたび顔に触れるふわふわの髪とか。



もうね。言ってしまえばやばいですよ。



…昨日会ったばかりの女に何考えてんだ…

だけど。言ってしまえばもう限界だ。
認めざるをえない。


俺は梨里を好きで好きで仕方がなく、…なってしまったようだ。