そして、十数年がたった。






「何ボーっとしてんの?」




隣に座り私を覗き込むように見つめてくるあの頃と全然変わってない笑み。






「昔のこと思い出してただけ」



「あぁ、お前が急にいなくなった時は俺、ガチで泣いたし、信じられなかったよ」



「ごめんね、それに会いに来てくれてありがとう」



「そりゃぁ、俺のお嫁さんはお前しかいないから」





そう言って私を優しく抱きしめた。